【完全ガイド】ホームページ制作を依頼する前に準備するべきこと

- ホームページ制作を依頼する前に、何を準備すればいい?
- いきなり制作会社に問い合わせて大丈夫?
- 依頼側が準備することを事前に知りたい
ホームページを依頼してから、準備に追われる担当者の方が多数いらっしゃいます。なぜなら、制作会社に任せていればホームページは出来上がると思っている人も多く、想定外の準備に時間がかかるためです。
この記事では、ホームページを依頼する前に知っておきたい、準備するべきことについて解説します。この記事を読めば依頼する前に心構えができるので、スムーズに制作を進めることができます。
チェックリストも用意しているので、ぜひご覧ください。

ホームページ制作に取り掛かる前に
「なぜホームページを作るのか?」目的を明確にする
ホームページ制作で最も重要なのは、目的を明確にすることです。目的があいまいなままでは、デザインも構成も方向性が定まらず、結果的に「何のためのホームページなのかわからない」「とりあえず作っただけ」という状態に陥ってしまいます。
かかりつけデザイン室が、制作のご相談を受ける際、まず最初に気にするのが「目的」です。しかし、目的を明確に答えられる担当者は意外と少ないのが現状です。
一般的なホームページの目的としては、以下のようなものがあります。
目的 | 具体例 | 必要な要素・機能 |
---|---|---|
集客・問い合わせの獲得 | 新規顧客からの問い合わせを増やしたい | 問い合わせフォーム、CTAボタン、SEO対策 |
商品・サービスの販売 | ECサイトで直接販売したい | 商品管理機能、決済システム、カート機能 |
ブランディング | 会社やサービスのイメージを高めたい | 洗練されたデザイン、ストーリー性のあるコンテンツ |
情報発信 | ニュースやブログで情報を定期的に発信したい | CMS機能、ブログ機能、SNS連携 |
採用強化 | 優秀な人材を獲得したい | 採用情報ページ、会社の雰囲気が伝わる写真 |
複数の目的を持つことも可能ですが、その場合は優先順位をつけることが重要です。すべてを同等に重視しようとすると、結局どの目的も達成できない中途半端なホームページになってしまう可能性があります。
目的設定ワークシート
以下の質問に答えることで、ホームページの目的を明確にすることができます。
- ホームページを作る最大の理由は何ですか?
- ホームページを見た人にどんな行動を取ってほしいですか?
- ホームページの成功を測るための指標は何ですか?
- ホームページがないことで、現在どんな問題や機会損失が発生していますか?
- 競合他社のホームページと比べて、どんな差別化ポイントを持たせたいですか?

答えるのが難しい質問もあると思いますが、まず考えてみることが大切です!
目的によって制作会社に依頼する内容が異なる
ホームページの目的によって、制作会社に依頼する内容や求められるスキルも変わってきます。
目的 | 依頼内容 |
---|---|
集客が目的 | SEO対策に強い制作会社や、設計から入れる制作会社がオススメです。キーワード選定やコンテンツマーケティングの知識が豊富な会社が適しています。 |
ブランディングが目的 | 取材やヒアリングを通して、自社の良さを伝える表現ができる会社を選びましょう。 |
EC機能が必要な場合 | ECサイト構築の実績がある制作会社がオススメです。セキュリティ対策や決済システムの知識が豊富な会社が適しています。 |
自社の目的を明確にしておくことで、最適な制作会社を選定できるだけでなく、制作会社に対して具体的な要望を伝えることができ、認識のズレを防ぐことができます。
情報の準備
ホームページを制作するには、いくつかの技術的な情報が必要です。特にサーバーとドメインに関する情報は、制作の初期段階で必要になるため、事前に準備しておきましょう。
サーバー情報
既にサーバーを契約している場合は、以下の情報を準備しておきましょう。
- FTPアカウント情報
ファイル転送用のユーザー名とパスワード - コントロールパネルのログイン情報
サーバー管理画面へのアクセス情報 - サーバーのスペック情報
契約プラン、容量、PHPバージョンなど分かる範囲で
まだサーバーを契約していない場合は、ホームページの目的や規模に合わせて適切なサーバーを選ぶ必要があります。

ドメイン情報
既にドメインを取得している場合は、以下の情報を準備しておきましょう:
- ドメイン名
- ドメイン管理会社のログイン情報
- ドメインの更新期限
まだドメインを取得していない場合は、企業名やサービス名を含むドメインを検討しましょう。

自社管理の重要性
ドメインやサーバーは、契約を代行してもらってもいいのですが、必ず自社で所有・管理することをおすすめします。
- 制作会社の変更が容易:制作会社を変更する際に、スムーズに移行できます
- セキュリティリスクの低減:アクセス権限を自社でコントロールできます
- コスト削減:中間マージンが発生しません
- 事業継続性の確保:制作会社との契約終了後も運用を継続できます
制作会社にドメイン管理を任せていましたが、制作会社との契約終了後、ドメインの管理権限がもらえず、新しいホームページを作る際に新ドメインを取得せざるを得なくなるという事例が多発しています。中には、長年培ってきたSEOの資産が失われ、検索エンジンからの集客が大幅に減少することもあります。
もし現在、制作会社がドメインやサーバーを管理している場合は、自社管理に移管することを検討しましょう。移管の手続きについては、制作会社に相談するか、ドメイン管理会社のサポートに問い合わせることをおすすめします。

依頼内容を考える
ホームページ制作を依頼する際、どこまでを制作会社に任せるかによって、必要な準備も変わってきます。依頼内容に応じた特徴を理解し、自社に最適な依頼方法を選びましょう。
構成や内容を自分で考えて、制作のみを依頼するケース
自社でホームページの構成やコンテンツを決め、デザインや実装のみを制作会社に依頼するスタイルです。
- コストを抑えられる
- 自社の意向を正確に反映できる
- 制作期間を短縮できる可能性がある
- Webマーケティングの専門知識が必要
- コンテンツ作成の負担が大きい
- プロの視点が入らないため効果が限定的になるおそれがある
準備するもの
- サイトマップ
- 各ページの原稿(見出し、本文、写真の配置指示など)
- 使用する画像素材(ロゴ、写真、イラストなど)
設計段階からお願いするケース
ホームページの基本的な方向性(目的やターゲット)を自社で決め、構成や具体的な内容は制作会社と一緒に考えるスタイルです。
- 専門家の知見を設計に活かせる
- 使いやすいサイト構造を提案してもらえる
- 制作会社と方向性の認識を合わせやすい
- マーケティング視点が必要
- 費用がかかる
- 調べたり大元の原稿を作成する時間がかかる
準備するもの
- ホームページの目的と成果指標の明確化
- 掲載したい内容の概要リスト
- 競合サイト情報(良いと思う点、改善すべき点)
- 参考にしたいサイト例
取材を通して原稿作成やコンセプト作成までお願いするケース
方向性も含めて制作会社に一任し、取材を通じて必要な情報を引き出してもらうスタイルです。
- 専門的な視点でコンテンツが作成される
- 自社の負担が最小限で済む
- ターゲットに訴求する効果的な表現が期待できる
- コストが高くなる
- 制作期間が長くなる傾向がある
- 細部まで確認しないと意図とずれることがある
準備するもの
- 会社概要・サービス資料(既存のパンフレットなど)
- 取材対応者の選定
- 掲載可能な情報の範囲の明確化
- 競合情報(差別化ポイントなど)
事前にあるといいもの
ホームページ制作をスムーズに進めるためには、以下のような資料や素材を事前に準備しておくと効果的です。特に素材集めは時間がかかるため、早めに着手しましょう。
会社・サービス資料
掲載したい内容がまとまった書類やパンフレット
会社案内やサービス紹介のパンフレット、製品カタログなどがあれば、ホームページの内容作成の参考になります。これらの資料があれば、ホームページに掲載する内容のベースとして活用でき、一からコンテンツを考える手間を省くことができます。
特に役立つ資料の例
- 会社案内パンフレット
- サービス・製品カタログ
- 営業用プレゼン資料
- お客様向け提案書
- 社内報や広報誌
- プレスリリース
このようなの資料がデジタルデータで保存されていれば理想的ですが、紙媒体しかない場合はスキャンするか、制作会社に提供して内容を転記してもらうことも可能です。
会社概要資料
会社概要は、ほとんどのホームページに必ず掲載される基本情報です。以下の項目を含む資料を準備しましょう。
会社概要に含める情報チェックリスト
- 会社名(正式名称と英文表記)
- 設立年月日
- 資本金
- 代表者名
- 従業員数
- 事業内容(箇条書きで具体的に)
- 所在地(本社・支店・営業所など、地図情報も)
- 連絡先(電話・FAX・メール)
- 主要取引先(公開可能な範囲で)
- 許認可情報(資格や登録番号など)
サービス紹介資料
自社のサービスや製品について、情報を整理しておきましょう。
例
- サービス・製品名
- 特徴や強み(競合との差別化ポイント)
- 導入メリット(具体的な数値があるとより良い)
- 価格体系(公開可能な範囲で)
- 対応地域・対象顧客
- 納期・リードタイム
- 保証・サポート内容
実績や事例資料
過去の実績や導入事例があれば、信頼性向上につながります。以下のような情報を準備しておくとよいでしょう。
公開できる情報には制限があるかもしれませんが、可能な範囲で具体的なデータや効果を示すことで、説得力が増します。
また、お客様に「お客様の声」を書いていただけるかどうかや、企業ロゴマークの掲載がOKかどうかも確認してみましょう。
デザイン関連素材
企業ロゴやサービスロゴのデータ
ロゴは企業やサービスのアイデンティティを表す重要な要素です。以下のような形式で準備しておくことをおすすめします:
【ロゴデータの準備チェックリスト】
- 推奨データ形式
- ベクターデータ(ai, eps, svg)
- 高解像度画像(psd, png, jpg)
- 透過処理されたもの
- バリエーション
- カラー版
- モノクロ版
- 白抜き版
- ヨコ型・タテ型
ロゴデータがない場合は、名刺や封筒などから高品質にスキャンすることも可能ですが、今後のことも考え、制作元からデータを取り寄せるか、デザイナーに再作成を依頼することをおすすめします。
会社やブランドのカラーコード
企業カラーやブランドカラーがある場合は、以下の形式で色情報を準備しておきましょう:
- RGB値(Web表示用):例 R:255, G:0, B:0
- CMYK値(印刷用):例 C:0%, M:100%, Y:100%, K:0%
- カラーコード(例:#FF0000)
カラーガイドラインがある場合は、それも併せて提供すると、ブランドの一貫性を保ったデザインが実現しやすくなります。ない場合でも、上記のように簡単なメモでも役立ちます。
制作が始まったら必要に応じて準備するもの
写真・画像
ホームページで使用する写真は印象形成に大きく影響します。できればプロに撮影してもらうことが理想ですが、予算的に難しい場合は準備して提供するか、素材写真を使用します。
素材写真は綺麗ですが、オリジナリティが薄れるので、できるだけ自社の写真を使いましょう。
必要な写真素材のチェックリスト
【写真素材チェックリスト】
- メインビジュアル用の写真(トップページのファーストビューに使用)
- オフィス・店舗の外観・内観
- 製品・サービスの様子
- スタッフ写真
- 作業風景
- イベント写真
- お客様の声用の写真(許可がある場合)
写真素材の最適な形式とサイズ
【写真の推奨仕様】
- 解像度:72dpi(Web用として十分)
- サイズ:
- メインビジュアル:横幅1920px以上(大画面でも鮮明に表示するため)
- 一般コンテンツ用:横幅800px〜1200px
- サムネイル:横幅400px程度
- 形式:
- 写真:jpg(品質80〜85%が最適)
- イラスト・図版:png(透過が必要な場合)
- 動くアイコン:gif(アニメーション)
- 複雑なイラスト:svg(拡大しても品質が落ちない)
- ファイルサイズ:
- メインビジュアル:500KB以下が理想
- コンテンツ画像:200KB以下
- サムネイル:100KB以下
写真素材の入手方法
【自社で撮影する場合のコツ】
- 明るさを確保する:暗い写真は印象が悪いので、できるだけ明るい環境で撮影
- 余白を意識:デザインで調整できるよう、被写体の周りに余白を設ける
- 横位置・縦位置の両方を撮影:レイアウトに合わせて選べるよう両方用意
- 背景をシンプルに:余計なものが写り込まないよう、背景に注意
- スマホでもきれいに撮る方法:
- 自然光を活用(窓際や屋外の日陰が最適)
- プロモードを活用して露出や焦点を調整
- ポートレートモードで背景をぼかす
- 撮影後に画像編集アプリで調整(明るさ、コントラスト、色味)
【外部から素材を入手する方法】
- プロカメラマンに依頼:
- 費用目安:1日撮影で10万円〜
- メリット:品質が高く、自社独自の素材になる
- 有料ストック写真サービス:
- おすすめサービス:Shutterstock, Adobe Stock, iStock
- 費用目安:1枚500円〜2,000円程度
- メリット:高品質で多様な写真が手に入る
- デメリット:他社も使用している可能性がある
- 無料素材サイト:
- おすすめサイト:Pixabay, Unsplash, Pexels, O-DAN
- メリット:無料で使える
- デメリット:商用利用可能か確認が必要
- 注意点:クレジット表記が必要な場合もある
【写真選びのポイント】
- ブランドイメージに合うか:写真のトーンや雰囲気が企業イメージと合致しているか
- 一貫性があるか:サイト全体で写真のスタイルに統一感があるか
- メッセージ性があるか:伝えたいことが写真から伝わるか
- 差別化できるか:競合と似たような写真になっていないか
著作権・肖像権の注意点
【著作権に関する注意点】
- インターネットで見つけた画像を無断使用しない
- フリー素材でも、利用規約を必ず確認する
- 商用利用可能かどうかを確認
- 必要に応じてクレジット表記を行う
【肖像権に関する注意点】
- 人物が写っている写真を使用する場合は、必ず承諾を得る
- 社員写真は、社内での使用目的を明確にして同意を得る
- 不特定多数の人が写っている場合でも、特定の人が目立つ構図は注意
- 子どもの写真は特に慎重に扱う
【社内承認フローの例】
- 使用したい写真の候補をリストアップ
- 著作権・肖像権の確認
- 関係部署(法務・広報など)の承認
- 最終決定者の承認
- 使用履歴の記録
原稿
各ページの原稿を自社で準備する場合は、以下の点を参照し準備を進めます。
【Web向け文章作成のコツ】
- 読みやすさを重視:
- 1段落は3〜4行程度に抑える
- 見出しで内容を区切る
- SEOを意識:
- タイトルに重要キーワードを含める
- 見出しは検索意図に合わせる
- 最初の段落で要点を押さえる
- 適切な文字数を確保(1ページ800〜2,000文字程度)
- 説得力を高める:
- 具体的な数字や事例を入れる
- 第三者の声を引用する
- ビフォーアフターで効果を示す
- 専門性をアピールする表現を使う
原稿の効率的な準備方法
【既存資料からの転用テクニック】
- 会社案内パンフレットの内容を箇条書きにまとめ直す
- プレゼン資料のポイントを抽出して見出しと本文に整理
- 社内報や顧客向けニュースレターからトピックを選別
- 営業トークの内容を文字に起こして整理
【原稿作成の時短テクニック】
- 音声入力の活用:
- スマホの音声入力機能で話した内容を文字化
- 音声録音アプリで会話を記録し、後から文字起こし
- インタビュー形式の活用:
- 質問と回答の形で内容を整理
- 社内の別のスタッフに質問してもらい回答を記録
- テンプレートの活用:
- 「会社概要」「サービス紹介」などの定型フォーマットを用意
- 穴埋め式で必要事項を記入
【よくある質問(FAQ)の効果的な作り方】
- 実際に顧客から受ける質問をリストアップ
- 営業担当やカスタマーサポートに多い質問を聞く
- 競合サイトのFAQも参考にする
- 質問は具体的に、回答は簡潔に
- 質問と回答のセットを最低10組は用意
その他必要な準備
相談したいことをメモしてお打ち合わせの中で伝える
ホームページに関する具体的な希望や要望があれば、メモとしてまとめておくことをおすすめします。細かいイメージがあればあるほど、思い通りのホームページができあがる可能性が高まります。
サイトイメージがあれば参考サイトのリストを
「こんなイメージのサイトにしたい」という参考サイトをリストアップしておくと、デザインの方向性を伝えるのに非常に効果的です。
【参考サイトリストの例】
■デザイン面で参考にしたいサイト
1. https://www.example.com/
- シンプルでありながら洗練されたデザイン
- スクロールアニメーションの演出が自然
2. https://www.sample-site.com/
- 写真の使い方が効果的
- 色使いが統一されている
■機能面で参考にしたいサイト
1. https://www.function-example.com/
- 問い合わせフォームの使いやすさ
- 製品検索の機能性
特に気に入っている点(デザイン、レイアウト、機能など)も併せてメモしておくとよいでしょう。
避けたいデザインの参考サイト
逆に、「このようなデザインは避けたい」という参考サイトも用意しておくと、認識のずれを防ぐことができます。
【避けたいデザインのメモ例】
■避けたいデザインのサイト
1. https://www.bad-example.com/
- 情報が多すぎて読みづらい
- 色使いが派手すぎる
2. https://www.not-good.com/
- 古臭い印象を受ける
- スマホ表示が崩れている
なぜそのデザインが自社に合わないと思うのかの理由も添えると、より効果的です。
まとめ|準備が整えばスムーズな制作が可能に
ホームページ制作は、事前の準備が成功の鍵を握ります。特に初めてホームページを作る方は、何から手をつければいいのか分からず戸惑うことも多いでしょう。
しかし、この記事で紹介した項目を参照し準備を進めれば、制作会社とのコミュニケーションがスムーズになり、イメージ通りのホームページを効率よく制作することができます。
特に重要なのは以下の3点です.
1. 目的を明確にする:なぜホームページを作るのか、何を達成したいのかを明確にしましょう。
2. 技術的な情報を準備する:サーバーやドメインの情報は早めに準備しておくことが重要です。
3. 素材や資料を整理する:会社情報、写真、ロゴなどの素材は、できるだけ高品質なものを用意しましょう。
弊社では、ホームページ制作の無料相談会を実施しています。「何を準備すればいいのか分からない」「自社に合ったホームページのイメージが湧かない」といったお悩みも、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。