未分類

プロと素人が作るホームページは何が違うの?!【徹底解説】

tomomi@clap-create.com
こんな人にオススメ
  • ホームページを作りたいけど、プロに頼むべきか、自分で作るべきか迷っている人
  • 知人にホームページ制作を依頼する予定だが、プロレベルかどうか判断できない人
  • プロと素人が作るホームページは、具体的に何が違うのか知りたい人

現代において、ホームページは企業や個人の顔となる重要なツールです。しかし、ホームページ作成ツールが増え、誰でも比較的簡単に作れるようになった一方で、「作れる」ことと「効果的なホームページが作れる」ことの間には、依然として大きな隔たりがあります。

この記事では、プロと素人が作るホームページの違いについて徹底的に比較。Web業界9年目のディレクターが、デザイン、機能、SEO、費用、サポートなど、あらゆる角度から、わかりやすく解説しています。

この記事を読むことで、誰にホームページ制作を依頼すべきか、外注・自作のメリット・デメリットを知ることができます。その結果、あなたの目的や状況に最適なホームページ制作を選ぶ判断材料になるはずです。

伊藤 友美
伊藤 友美
Clap create 代表 / コミュニケーションデザイナー
Profile
1992年生まれ、愛知県出身のグラフィックデザイナー。 名古屋芸術大学デザイン学部デザイン学科を卒業後、印刷会社に6年勤務。 内2年間グラフィックデザイナー、4年間Webディレクター・プランナーを経験しました。 その後食品メーカーのインハウスデザイナーを経て独立開業。 プライベートでは一児の母として育児に日々奮闘中。

ホームページ制作の「プロ」と「素人」の定義とは

まず、ホームページ制作における「プロ」と「素人」の定義を明確にしておきましょう。

プロフェッショナル

  • 単にウェブサイト制作の技術を持つだけでなく、クライアントのビジネス目標を深く理解し、戦略的な企画・設計から、質の高いデザインと機能の実装、公開後の運用サポートを行う
  • お客様とお約束した成果を提供できる専門家や組織。
  • 豊富な経験と専門知識に裏打ちされたサービスを提供。

アマチュア(素人)

  • 個人の趣味の範囲から、費用を抑えつつ基本的なビジネスニーズに対応しようとする場合など様々。
  • 専門知識や経験に制約を受けるため、主に「作るだけ」「形にするだけ」の状態。
  • 社名を変えても通用するような、汎用的なデザイン。
  • テンプレートに当てはめるため、使いにくさ・受けるイメージの違和感がある。

プロと素人が作るホームページの決定的な違いとは?

定義の部分でも少し触れていますが、プロと素人の決定的な違いは、

  1. 企画力|アウトプットに対して戦略的かどうか。
  2. 品質|成果に貢献できる品質かどうか。結果を出すためにPDCAを回せるか。
  3. アートディレクション力|ただ作るだけではなく、どんなデザインが効果的かを判断できるかどうか。

プロは、ホームページの見た目の美しさだけを追うことはありません。というのも、ホームページを介して、目的・目標を達成するために、どんなデザイン・どんな内容が相応しいかを考えて制作に取り掛かっています。その結果、ホームページが美しくなっていくのです。

一方、素人や経験が浅い制作者は、どうしても「作ること」自体が目的になりがちで、戦略性や成果への意識が薄くなる傾向があります。単に綺麗なホームページを作ることはできますが、「どこかで見たことがあるようなホームページ」「社名を変えても通用するホームページ」になりがちです。

プロと素人のホームページの違いを、7つの主要な観点から解説

違い1:見た目の良さと、お店や会社の「顔」としての印象

ホームページの視覚的なデザインは、訪問者が最初に接する企業や個人の「顔」であり、ブランドイメージや信頼性に大きく影響します。プロフェッショナルに依頼する場合と、ご自身で作成する場合とでは、主に以下の点で違いが見られます。

プロに依頼する場合のデザイン

  • 独自のブランドイメージを反映したオリジナルデザインを実現できます。
    企業の理念やターゲット顧客、提供する独自の価値などを深く理解した上で、オーダーメイドでデザインを構築。他社との明確な差別化を図り、訪問者の記憶に残る独自のブランド体験を提供することが可能です。
  • 専門的な知見に基づいた、質の高いプロフェッショナルな外観に仕上がります。
    デザインの各要素において専門的な配慮がなされます。その結果、訪問者に安心感と信頼感を与える、洗練されたホームページが期待できます。

自分で作成する場合のデザイン

  • 専門知識や経験の不足から、デザインが弱くなります。
    デザインの基本原則やユーザビリティ(使いやすさ)への配慮が不十分な場合、ホームページ全体の統一感が損なわれたり、情報が煩雑に見えたりするなど、意図せずともプロフェッショナルではない印象を与え、訪問者の信頼を十分に得られないリスクも考慮が必要です。
  • 既成テンプレートの利用が中心となり、独自性を十分に発揮しにくい傾向があります。
    既存のテンプレートは手軽に利用できる反面、デザインが画一的になりやすく、他サイトとの類似性からブランドの個性を十分に表現できない可能性があります。

独学やスクールなどでホームページ制作を学ぶ方が増えましたが、実務経験がない場合、「デザイン=アートディレクション」という視点がごっそり抜けていることがあります
その結果、オリジナルデザインのはずなのに、どこかテンプレートっぽさが残るホームページになることもしばしば。

違い2:ホームページの「できること」と「ちゃんと使えるか」(スマホ対応やセキュリティなど)

プロに依頼する場合

  • ビジネスニーズに応じたカスタム機能の実装が可能です。
    オンライン予約システム、会員専用コンテンツ、Eコマース機能など、事業特有の要件に応じた機能を、安定性と拡張性を考慮して設計・実装します。
  • 高品質なコード、最適化されたパフォーマンス、確実なモバイル対応が期待できます。
    Web標準に準拠したクリーンなコーディングにより、表示速度の向上や多様なデバイス・ブラウザでの安定動作を実現します。スマートフォンやタブレットでの快適な閲覧体験を提供するレスポンシブデザインは標準的な対応となります。
  • 専門知識に基づいた適切なセキュリティ対策が施されます。
    SSLによる通信暗号化、不正アクセス防止策、CMSやプラグインの適切な管理など、最新の脅威に対応するためのセキュリティ対策を講じ、ウェブサイトの安全性を高めます。

自分で作成する場合

  • 実装できる機能は、利用するツールや自身の技術スキルに大きく左右されます。
    基本的な機能は比較的容易に導入できる一方、専門的で複雑なカスタム機能の実装は困難な場合が多く、無理な実装は動作不安定やセキュリティ上の脆弱性を生むリスクがあります。
  • コードの品質やサイトパフォーマンス、モバイル対応が不十分になることがあります。
    テンプレート利用時に不要なコードが含まれていたり、HTML/CSSの知識不足から表示崩れやアクセシビリティ低下を招いたりする可能性があります。スマートフォンへの対応が見落とされることも少なくありません。
  • セキュリティ対策が不十分となり、リスクを抱える可能性があります。
    SSL化の未対応や、ソフトウェアのバージョンアップの怠りなど、基本的なセキュリティ意識の不足から、ウェブサイトがサイバー攻撃の標的となる危険性があります。トラブル発生時の責任は自身で負うことになります。

プロは、目に見えない部分の技術的な品質にもこだわり、ユーザーにとって快適で安全なWeb体験を提供素人制作では、これらの技術的な側面が見過ごされやすく、結果として大きなリスクを抱える可能性があります。特にセキュリティ対策の差は、企業の信頼問題に直結するため注意が必要です。

特にWordPressは、オープンソースが故に脆弱性が報告されやすいCMSです。取り扱いにはセキュリティの知識が必須!

違い3:SEO対策と集客力

どんなに素晴らしいホームページも、見てもらえなければ意味がありません。検索エンジン最適化(SEO)は、ホームページへの集客を左右する重要な要素です。

観点プロフェッショナル制作アマチュア(素人)制作
コンテンツ戦略とキーワード最適化・ターゲットユーザーの検索意図を分析し、応える質の高いコンテンツ戦略を立案。
・適切なキーワードを選定し、自然な形でコンテンツに盛り込み、ユーザーにとって価値ある情報を提供。
・SEOを包括的なマーケティング戦略の一環として捉える。
・キーワード選定や組み込みが直感的・表面的。
・ユーザーニーズ分析なしに企業が伝えたい情報の一方的な発信になりがちで、検索ユーザーの求める情報と合致せずSEO効果も限定的。
検索順位とトラフィックへの影響効果的なSEO戦略と実装により、検索結果で上位表示される可能性が高まる。オーガニックトラフィックが増加し、より多くの潜在顧客にリーチできる。・SEO対策が不十分な場合、検索エンジンに適切に認識されず、上位表示されないか全く表示されない事態に。アクセス数が伸び悩み、誰にも見られないまま埋もれてしまう可能性。SEOは継続的な改善が必要だが、独力での維持は困難。

プロは、検索エンジンに評価され、かつユーザーにとっても価値のあるホームページを作るための専門知識と技術を持っています。SEOは一度設定すれば終わりではなく、継続的な分析と改善が不可欠であり、この点でもプロのサポートは大きなアドバンテージとなります。

SEOで絶対に結果を出します!狙ったキーワードで検索順位⚫︎位以内をお約束します!といった、SEOに関する言い切りをする人は危険(詐欺)なので注意が必要です。近年はSEO会社でも成果を約束できないほど、Googleアルゴリズムは日々進化しています。

※Googleアルゴリズムとは:Googleの検索エンジンが、検索キーワードに対して最も関連性の高い結果を返すために使用する仕組み・ルールのこと。

違い4:マーケティング効果とビジネス成果

ホームページは、情報発信の場であると同時に、ビジネス目標を達成するための強力なマーケティングツールです。

観点プロフェッショナル制作アマチュア(素人)制作
リードジェネレーションとコンバージョン率・訪問者を潜在顧客(リード)へ転換させ、最終的に製品購入やサービス契約といった成果(コンバージョン)に結びつける戦略的設計。
・ターゲット顧客の行動心理を考慮した情報設計
・説得力があるコピー
・明確なゴールボタン、
・入力しやすいフォーム
など、ホームページから収益を上げるための細かなノウハウを持つ。
・マーケティング視点が欠け、「サイトは作ったが注文がない」「問い合わせが来ない」事態に陥りがち。
・目的が曖昧
・ターゲットへの訴求が不十分
・訪問者を次の行動へ導く導線設計がない。
・依頼者の言いなりになったり、制作者の自己満足で終わることも。
ビジネス目標の達成・ブランド認知度向上、新規顧客獲得、売上増など、具体的なビジネス目標達成のための戦略的ツールとして企画・設計・構築。初期段階でビジネス課題や目標をヒアリング。
・ウェブサイトが果たすべき役割を明確化。
・効果測定と改善を繰り返し、目標達成に向けて伴走する。
・ビジネス目標との連携が弱いか考慮されないことが多い。
・単なる「オンライン上のパンフレット」に留まり、能動的にビジネスに貢献しにくい。
・成果測定や改善のPDCAサイクルを回す仕組みや知識も不足しがち。

プロは、ホームページを単なる「箱」としてではなく、「ビジネスを成長させるエンジン」として捉え、戦略的に活用します。このマーケティング視点の有無が、最終的なビジネス成果に大きな差を生むのです。

違い5:制作プロセスと時間・スキル

ホームページを完成させるまでの道のり、すなわち開発プロセス、所要時間、そして必要とされるスキルセットも大きく異なります。

観点プロフェッショナル制作アマチュア(素人)制作
開発期間と納品スピード多くのプロジェクト経験と体系化された開発プロセスにより、比較的効率的に開発を進め、短期間での納品が期待できる。小規模サイトならフリーランスで1週間~1ヶ月、制作会社で2週間~1ヶ月半程度が目安(規模や複雑さによる)。無駄のない進行管理と専門スキルでリードタイムを最適化。デザイン考案、ツール選定・操作習得、コンテンツ作成、機能調査・実装、試行錯誤に多くの時間を要し、完成まで長期化しやすい。本業の傍らではまとまった時間確保が難しく、モチベーション維持も課題。制作途中で挫折するケースも。
必要な専門知識と学習コストデザイン(UI/UX、グラフィック)、プログラミング(HTML, CSS, JavaScript等)、データベース、サーバー、ネットワーク、セキュリティ、SEO、ウェブマーケティング、ライティング、プロジェクトマネジメントなど、広範かつ専門的な知識と経験が必要。制作会社では各分野の専門家がチームで対応。「豊富な経験値」が質の高い制作を支える。効果的なサイトを自作・運用するには、これらの専門知識の一部を習得する必要がある。デザイン原則、HTML/CSS基礎、SEO基本、セキュリティ知識など学ぶべきことは多岐にわたる。学習のための時間的・精神的コスト(学習コスト)は非常に大きい。「時間コスト」や機会損失も見落とせない。

プロに依頼する場合の費用は、複雑な作業や学習にかかる時間と労力を専門家が肩代わりする対価です。特にビジネスにおいては「時は金なり」であり、この目に見えない時間コストは、時に金銭的コスト以上に大きな影響を及ぼす可能性があります。

違い6:運用・保守とサポート体制

ホームページは公開したら終わりではなく、継続的な情報発信や技術的なメンテナンスが必要です。

観点プロフェッショナル制作アマチュア(素人)制作
コンテンツ更新と修正の容易さWordPressなどのCMS導入が一般的。専門知識がなくてもブログ投稿、お知らせ更新、簡単なテキスト・画像修正などをブラウザ経由で比較的容易に行える。操作トレーニングや運用マニュアル提供も。日常的な情報発信の鮮度とスピードを保てる。理論上はいつでも自由に行えるが、使用ツールやスキルレベルに依存。HTML/CSS直接編集が必要な場合やツールの操作が複雑な場合、簡単な修正でも手間と時間がかかることがある。デザインの大幅変更や新機能追加など高度な改修は専門知識がないと困難。
技術的サポートとトラブルシューティング公開後の保守・運用契約により技術サポートを受けられる。サーバー障害や表示不具合時の迅速対応、CMS・プラグインのアップデート、定期バックアップ、セキュリティパッチ適用など。専門家によるサポート体制で「安心してビジネスに専念できる」メリット。技術的な問題(サイト非表示、機能停止、ハッキング被害など)発生時は自己責任で原因調査・対処が必要。専門知識がないと原因特定も対処法発見も困難。長期間サイトが正常に機能しない、最悪復旧できないリスクも。「相談できる相手がいない」状況は大きな不安要素。事業継続性を担保する上で運用保守は重要であり、素人運用では大きな課題。

プロによるサポート体制は、万が一のトラブル時にも迅速に対応でき、ホームページの安定稼働と安全性を維持する上で非常に重要です。この「安心感」は、特に社内にIT専門家がいない場合に大きな価値となります。

プロが制作する効果を十分に発揮するには?

せっかくプロに頼んでも、頼み方によっては中途半端な結果に終わってしまうことがあります。予算の確保だけでなく、何をどこまでチェックするかが大事なポイントです。

ポイント1:ターゲットのイメージを共有する

「誰に届けたいのか」を具体的にすることで、刺さるメッセージとデザインが生まれます。

Webサイトの目的が「誰に何を伝え、どう行動してもらいたいか」である以上、ターゲットの明確化は最も重要なステップです。制作会社は、あなたが思い描くターゲット像を具体的に知ることで、そのターゲットの心に響くデザイン、言葉選び、情報設計を行うことができます。

  • なぜ重要か?
    • ターゲットが曖昧だと、当たり障りのない、誰にも響かないWebサイトになってしまう可能性があります。
    • デザインの方向性やコンテンツの内容、使用する言葉遣いまで、全ての判断基準がターゲットになります。
  • 何を伝えるべきか?
    • デモグラフィック情報: 年齢、性別、居住地、職業、年収など。
    • サイコグラフィック情報: ライフスタイル、価値観、興味関心、趣味、購買動機、抱えている悩みや課題など。
    • Webサイトの利用シーン: いつ、どこで、どのようなデバイスでサイトを閲覧するのか。どのような情報を求めているのか。
  • 共有のコツ
    • ペルソナ設定: ターゲットの代表的な人物像を具体的に描き出す「ペルソナ」を作成し、制作会社と共有しましょう。名前、年齢、職業、家族構成、趣味、悩みなどを詳細に設定することで、よりリアルなターゲット像が浮かび上がります。
    • 既存顧客の分析: すでに顧客がいる場合は、その顧客層を分析し、特徴を伝えるのも有効です。

ターゲットの解像度を上げるほど、制作会社はより的確な提案をしやすくなり、結果としてWebサイトの成果に繋がりやすくなります。

ポイント2:貴社のことを詳しく伝える

あなたの会社の「強み」「想い」「個性」が、他社との差別化を生み出します。

制作会社はWebサイト制作のプロですが、あなたのビジネスや業界のプロではありません。あなたの会社の事業内容、強み、歴史、企業文化、そして何よりも「どんな想いで事業に取り組んでいるのか」を深く理解してもらうことが、オリジナリティあふれる魅力的なWebサイト制作に繋がります。

  • なぜ重要か?
    • 会社の魅力や強みが的確に伝わらなければ、ありきたりな表現や一般的な情報に終始してしまい、ユーザーの心を掴むことはできません。
    • 競合他社との違いを明確に打ち出すことで、選ばれる理由を提示できます。
  • 何を伝えるべきか?
    • 事業内容: 具体的にどのような商品やサービスを提供しているのか。その特徴やメリットは何か。
    • 強み・選ばれる理由: 競合他社と比較して優れている点、顧客から評価されている点、独自の技術やノウハウなど。
    • 企業理念・ビジョン: どのような想いで事業を運営し、社会にどう貢献したいのか。将来的にどのような姿を目指しているのか。
    • ブランドイメージ: 顧客にどのような印象を持ってもらいたいか。キーワードや参考になるイメージがあれば共有しましょう。
    • ターゲット顧客にとっての価値: あなたの商品やサービスが、ターゲット顧客のどのような課題を解決し、どのようなメリットをもたらすのか。
    • これまでの実績やお客様の声: 具体的な実績や、顧客からの評価は信頼性を高めます。
    • 業界の動向や競合情報: 業界の現状や競合他社のWebサイトなども共有すると、より戦略的な提案が期待できます。
  • 共有のコツ
    • 情熱をもって語る: あなたのビジネスに対する想いを自分の言葉で伝えましょう。その熱意は必ず制作会社に伝わります。
    • 資料提供: 会社案内、商品カタログ、過去の広報物、プレスリリースなど、関連資料は積極的に提供しましょう。
    • 社内ヒアリング: 可能であれば、社長や各部門の担当者へのヒアリングの機会を設けるのも有効です。様々な視点からの情報を集めることができます。

自社の情報を惜しみなく、そして情熱を込めて伝えることで、制作会社はあなたのビジネスの本質を理解し、それをWebサイトという形で見事に表現してくれるはずです。

ポイント3:デザインを誰かの好みで決めず、戦略的に決める

客観的な視点と戦略に基づいたデザインこそが、成果を生み出します。

Webサイトのデザインは、見た目の美しさだけでなく、ターゲットユーザーに情報を効果的に伝え、目的とするアクション(問い合わせ、購入など)を促すための重要な「戦略」です。担当者や経営者の個人的な好みでデザインを決定してしまうと、自己満足に終わり、本来の目的を達成できないWebサイトになってしまう危険性があります。

  • なぜ重要か?
    • 個人の好みは主観的であり、必ずしもターゲットユーザーの嗜好や行動特性と一致するとは限りません。
    • 戦略に基づかないデザインは、ユーザビリティの低下やコンバージョン率の悪化を招く可能性があります。
  • 戦略的なデザインとは?
    • ターゲットユーザーへの訴求: ターゲットが好むテイスト、情報が探しやすい構造、直感的に操作できるデザインになっているか。
    • ブランドイメージの体現: 企業や商品のブランドイメージを的確に表現し、信頼感や共感を醸成できているか。
    • ユーザビリティ・アクセシビリティ: 誰もが快適に情報を取得でき、目的のページにたどり着きやすいか。アクセシビリティ基準への配慮も重要です。
    • コンバージョンへの導線: 問い合わせボタンの配置、フォームの入力しやすさなど、ユーザーを自然に行動へ導く設計になっているか。
    • 競合との差別化: 競合サイトと比較して、独自性があり、魅力的に映るか。
  • デザイン決定の進め方
    • 目的とターゲットの再確認: デザインの方向性を議論する際は、常に「誰に何を伝え、どう行動してほしいのか」という原点に立ち返りましょう。
    • 制作会社からの提案意図を理解する: 制作会社は、ターゲット分析やこれまでの経験に基づいてデザインを提案します。なぜそのデザインなのか、その意図や根拠をしっかりと確認しましょう。
    • 参考サイトは「目的」を伝える手段として: 好みのデザインを伝えるだけでなく、「このサイトのこの部分がターゲットに響くと感じた」「このサイトの導線設計が分かりやすい」など、具体的な理由と共に伝えましょう。
    • 客観的な意見を取り入れる: 関係者だけでなく、可能であればターゲットに近い属性の人にデザイン案を見てもらい、意見を聞くのも有効です。
    • A/Bテストなどの活用: 重要な要素については、複数のデザイン案でA/Bテストを行い、実際のユーザーの反応を見て判断することも検討しましょう。

デザインは、Webサイトの成果を左右する極めて重要な要素です。主観的な「好き嫌い」ではなく、明確な戦略と客観的な視点をもって判断することが、成功への近道となります。

要注意!素人がやりがちなホームページ制作の落とし穴

専門知識や経験が不足していると、素人がホームページを自作する際に、意図せず様々な問題を引き起こしてしまうことがあります。これらはプロであれば当然避けるべき「やってはいけないこと」です。

1. コンテンツ関連のミス

  • 著作権侵害: ネット上の画像や文章を無断で使用してしまう。
  • 大きすぎる画像ファイル: 高解像度画像をそのままアップし、表示速度を著しく低下させる。
  • 信頼性の低い情報: 根拠の曖昧な情報や古い情報を確認せずに掲載する。
  • 見にくい・読みにくい: 文字が小さい、行間が詰まっている、配色コントラストが低いなど、ユーザーに配慮しない。

2. デザイン関連の欠陥

  • トーン&マナーの不統一: ページごとにデザインがバラバラで、まとまりがない。
  • 過度なアニメーション: 意味のない派手なエフェクトで、重要な情報が伝わりにくくなる。
  • 時代遅れの技術の使用: セキュリティ上問題のある古い技術(例:Flash)を使ってしまう。
  • ユーザビリティの低いデザイン: 見た目優先で、文字が読みにくい、クリック箇所が分かりにくいなど使い勝手が悪い。

3. 技術・実装上のエラー

  • 不適切なサーバー選択: 無料サーバーなどで表示が遅い、頻繁にダウンする、セキュリティが脆弱。
  • URLの非正規化: 同じ内容のページに複数のURLが存在し、SEO評価が分散する。
  • SSL化未対応 (http://のまま): 通信が暗号化されず、ユーザーに不安を与え、ブラウザ警告やSEO評価低下の原因に。
  • ナビゲーションの不備: パンくずリストがなく、サイト内で迷子になりやすい。
  • 表示速度の未考慮: 画像最適化やファイル圧縮などを行わず、ページ表示が非常に遅い。
  • スマートフォン未対応: PC前提のレイアウトでスマホ表示が崩れ、非常に使いにくい。
  • セキュリティ対策の欠如: CMSやプラグインが古いまま、推測されやすいパスワードなど、不正アクセスの標的に。
  • マークアップの不正: HTML/CSSの文法エラーで表示崩れやアクセシビリティ低下を招く。

これらの「やってはいけないこと」は、プロにとっては**「当然避けるべきこと」または「必ず考慮すべきこと」**として、制作プロセスに織り込まれています。このリストは、プロと素人の間に横たわる知識、経験、そして品質意識のギャップの大きさを具体的に示しています。

結局、プロと素人どっちがいいの?目的別おすすめ制作方法

プロへの依頼は、単なる「発注」ではなく、ビジネス目標達成を共に目指す「パートナー」を選ぶという視点が重要です。技術力や価格だけでなく、コミュニケーションの質や相性も見極めましょう。

これまでプロと素人のホームページ制作の違いを詳しく見てきましたが、結局どちらが良いのでしょうか? それは、あなたの**「ホームページを作る目的」**によって大きく変わります。

アマチュア(素人)制作が向いているケース

  • 趣味や個人的な情報発信が目的: 収益化や集客を重視しない場合。
  • 予算が極めて限られている: まずは最小限のコストで試してみたい。
  • ホームページ制作スキル習得自体が目的: 学習プロセスを楽しめる。
  • ごく基本的な情報掲載のみ: 名刺代わりなど、高度なデザインや機能、積極的な集客が不要。

プロへの依頼を強く推奨するケース

  • ビジネス成長に積極的に活用したい: 新規顧客獲得、売上向上、ブランドイメージ構築、リード獲得など。
  • プロフェッショナルで信頼性の高いブランドイメージを確立したい: 競合との差別化を図りたい。
  • 検索エンジンからの集客を重視し、具体的なビジネス成果を期待する: 効果的なSEO対策やウェブマーケティング戦略が必要。
  • 専門知識や技術、制作に割く時間がない: 本業に集中したい。
  • セキュリティ対策や安定運用、トラブル時のサポートに不安がある: 安心感を重視したい。

特に、**「高品質なホームページを作りたい」「集客に強いホームページを作りたい」「ホームページ作成の知識やスキルがない」**といったニーズを持つ場合は、プロへの依頼が最適な選択となる可能性が高いでしょう。

まとめ

プロと素人が作るホームページには、デザインの質、機能性、SEO効果、マーケティング戦略、制作プロセス、サポート体制、そして最終的なビジネス成果に至るまで、多岐にわたる違いが存在します。

  • プロ: 戦略に基づいた高品質な制作、成果へのコミットメント、効率的な開発、安心のサポートが期待できる一方、初期費用は高め。
  • 素人: 初期費用を抑えられるが、品質のばらつき、時間と労力の多大な投入、成果が出ないリスク、トラブル時の自己責任が伴う。

ホームページ制作は、単なる作業ではなく、事業の成長戦略やブランド構築にも影響を与えうる重要な経営判断の一つです。

どちらを選ぶべきか迷ったら、まず**「何のためにホームページを作るのか?」という根本的な目的**を明確にしましょう。その目的意識こそが、最適な選択をするための最も重要な羅針盤となります。

そして、もしプロに依頼すると決めた場合でも、全てを丸投げするのではなく、自社の目的や要望を明確に伝え、制作プロセスに主体的に関与し、制作者と密なコミュニケーションを取り続けることが、プロジェクトを成功に導き、期待する成果を得るための鍵となることを覚えておいてください。

この記事が、あなたのホームページ制作における最適な選択の一助となれば幸いです。

ABOUT ME
伊藤 友美
伊藤 友美
Clap create 代表 / コミュニケーションデザイナー
1992年生まれ、愛知県出身のグラフィックデザイナー。 名古屋芸術大学デザイン学部デザイン学科を卒業後、印刷会社に6年勤務。 内2年間グラフィックデザイナー、4年間Webディレクター・プランナーを経験しました。 その後食品メーカーのインハウスデザイナーを経て独立開業。 プライベートでは一児の母として育児に日々奮闘中。
記事URLをコピーしました